無能な司令官の下では、どんな有能も役立たない
有能と無能の違いとはなんだろうか?
宇宙戦艦が戦ったりするのだが、本質は人間対人間の思考戦、権謀術数だったりする。
アニメの第1話で無能な指揮官が率いる同盟軍と有能な指揮官が率いる帝国軍の戦いが描かれている。
無能な指揮官は有能な部下の助言を無視して、まんまと敵の術中にハマり、玉砕する。有能な部下までもが死んでしまう。
一方で有能な帝国軍指揮官は有能な側近が助言するまでもなく、見事に劣勢を覆していく。この有能な司令官にも無能な部下が何人かいて、途中でそのうちの1人が指令を無視して、これまた玉砕してしまう。それもまた有能と無能を対比して描かれているので面白い。
本当に司令官が無能だと有能ですら無能になってしまう。逆に司令官が有能であれば無能ですら有能と評価される。
無能とは組織が生み出すもの。そうなのかもしれない。
では、有能な指揮官の命令を無視して爆死した無能はどうだろうか?彼は命令に従いさえすれば無能にはならなかった。
そういえば「やる気のある無能 やる気のない有能」なんて話があった。これはゼークトというドイツ人の軍人が語ったとされる組織論を元にした話だろう。
「やる気のある有能」
「やる気のない有能」
「やる気のある無能」
「やる気のない無能」
この4タイプで組織に必要ない者は誰か?多くの人は「やる気のない無能」を一番必要ないと考え、その次に「やる気のない有能」を選ぶ人も少なくない。会社だと大体がその順番で切られていく。
ゼークトの組織論では、「やる気のある有能」は参謀に、「やる気のない有能」は指揮官に、「やる気のない無能」は命令を忠実にこなす駒に向いているとしている。
そして、「やる気のある無能」は組織に置いていてはいけないと断言している。たしかにこんな奴は命令を無視して爆死したりするし、「やる気のある有能」な部下の助言を無視して爆死したりするわけだから、たまったもんじゃない。
もはや、やる気のあるなしが無能か有能かよりも重要になっていることがよくわかる。
「無能な司令官の下では、どんな有能も役立たない」というアッテンボロー(銀河英雄伝説の登場人物)の名言に言葉を付け加えるとしたら、「やる気のある無能な司令官の下では•••」となるだろう。
そういえばバンドオブブラザーズという第二次世界大戦を舞台にしたドラマでは、E中隊という優秀な兵士たちの部隊にダイクという「やる気のない無能」な指揮官がコネで着任して、ナチスドイツ軍にフルボッコにされてしまっていた。有能な参謀がいればどうだったのだろうか?どちらにしても無能は指揮官に就いてはダメなようだ(笑)
まぁ、人生は所詮暇つぶし。
やる気があればいいってもんじゃない。
無能だからダメってわけでもない。
だけど、有能な方が暇つぶしは楽しめる。