相手の言葉で話せるビジネスコミュニケーション強者になるための技
コミュニケーション能力が高い人ってどんな人だろうか?
さらにビジネスでも成果の上げられるコミュニケーション能力ってなんだろうか?
相手が使う言葉はその人が見ている世界を表している
人は言葉を使って、世界を表現している。
その人が言語化できないものは理解できていない世界なので、その人の中には存在すらしていない。
例えば、「ガストロバック」という単語がある。これは減圧加熱調理器のことなのだが、そんなもん知らん人の方が世の中多い。ガストロバックを使って調理された食い物が出てきても、ガストロバックを知らなければガストロバックで調理された料理だと認識できない。「ガストロバックで調理された料理」が「料理」という粒度の粗さで世界を見る事になる。
自然観察をする時も、植物や虫や生物の知識がある人と無い人とでは、観ている世界がまったく変わる。知識がある人はより細かく自然観察ができるので、得られる情報も多く、気づきもたくさんある。知識ゼロの人は「木」、「花」、「虫」、「鳥」ってぐらいの世界を観て終わる。
なので、話す相手がどんな言葉を使っているのかで相手が見ている世界の粗さがわかるし、どんな風にこの世界を切り取っているのかが理解できる。
それが理解できれば、相手が発する言葉の意味を、相手の意図の通りに捉えられる。当然、相手も同じようにこちらの言葉を捉えてくれる。
つまり、共通言語が出来上がる。
共通言語のない相手との会話で必要なもの
相手が使う言葉を知り、どんな風にどれぐらいの粒度でこの世界を切り取っているのかを知るには時間がかかる。ずっと一緒に居るような家族や友達なら相手との共通言語は出来上がっているだろう。
ビジネスの現場では、しばしば共通言語が出来上がっていない相手と会話しなければいけない。
ビジネスで無くても、初対面の人と話す時はどうしてもボンヤリとした話題から話が始まってしまう。
話しているうちに相手が使う言葉から、相手がどのくらいの粒度でどんな風に世界を切り取って見ているのが理解できてくると、より濃密な話ができてくる。それまでは中々深い話はしづらいものだ。
しかし、時間は有限なので、特にビジネスでは出来る限り短時間で成果をだしたい。
例えば「ガストロバック」。この調理器具の魅力を相手の言語で一気に伝えるにはどうすればいいだろうか?
ビジネスの現場でよく起きるミスは伝え手側の言葉でゴリ押しの話をしてしまう事だ。
相手はガストロバックなんかに興味も無いのに、いきなり話題に出されても困る。それは絶対に失敗するド下手クソなストリートナンパみたいなもんだ。
最悪の質問もある。「なにか最近困ってることないですか?」みたいなざっくりとした質問だ。これは相手のことを一切理解していないということの表明でしかないので、こんなクソみたいな質問を投げる前に相手の言葉をもっとしっかりと聴いて考えなければいけない。
では、どうやって短時間で一気にガストロバックの魅力を伝えられるのだろうか?
1つは五感を利用することだ。
ガストロバックそのものを見せたり、触らせたり、ガストロバックで作った料理を食べさせたりする。そして、その感想を言ってもらう。
そうすれば相手の言葉=思考を知れるので、その言葉を共通言語として使える。
伝え手側の言葉では無く自分の言葉でガストロバックを理解していくので、伝え手の言葉=伝え手が認知しているガストロバックではなく、自分が見ている世界でガストロバックを認知することができる。
コミュニケーション強者は間違いなく五感を使うようにしている。こんな文字だけで伝えているなんて馬鹿のする事なのだ(笑)。
ただ、五感を使えない場合もある。そういった場合はストーリーや例え話を使うとチューニングが合ってくるのだが、それについてはまた書こうと思う。