私が本を読むようになった1つの体験
大学生の頃もそうだが、就職してからもしばらくの間は読書はそれほどしていなかった。
2006年に「チームバチスタの栄光」が上梓されてから海堂尊にハマり、他にも森博嗣や伊坂幸太郎にハマったりで、ミステリー小説はよく読んでいたが、それぐらいだった。
社会人1年目でロバートキヨサキの「金持ち父さん 貧乏父さん」を会社から課題図書として出されたのがいわゆるビジネス書との出会いだった。
ただ、その時は感想文を書くためにサラ~っと読んだだけで、全部を読もうともしなかった。
1年目の会社は超絶ブラック企業の体育会系営業会社で、本当に1日に100回は「辞めたい」と思いながら毎日働いていた。
それでも3年近く働いて、転職。次の会社は印刷会社だった。モノづくりに携わるということの面白みもあって、仕事をどんどん覚えて、できるようになって最初の1年2年は楽しかった。
だけど、給料が上がらないとか、残業代が支払われないとか、まぁ色々と酷くて辞めようと思った。
で、その時に数年ぶりになぜか「金持ち父さん 貧乏父さん」をまた最初から読んでみた。本当になぜそうしたのかはわからなかったが、もっと早くこれを全部読んでおけばよかったと思った。
会社から読めと言われた時に全部読んでおけばよかったと思った。
心底そう思った。
まぁ、その時に読んでいたからといっても、印刷会社を辞めようとしていた当時と同じ感動を得られたわけではないだろうけど、それでも読んでおいて損はなかったと感じたのだ。
この時に私は本が持つパワーを強く感じた。
身をもって理解したのだ。
少しのお金と時間を投資するだけで、自分では体験できないことや考えつかないことをインプットすることができるのが本なのだと。
本を読まない人はなぜ読まないのか?
私が「金持ち父さん貧乏父さん」を久しぶりに読んだのは、本当にたまたま家にあったからだと思う。
で、その時、「こんなクソみたいな会社を辞めて、もっと自分の人生を最高に楽しいものにしてやる!!」と物凄く強く想っていたから、なにかヒントを手にできるんじゃないかと考えたからだと思う。
その本が家にあったからというのもあるが、幼少期からそれなりに読書との親しみがあったのも良かった。
やはり、それまでの積み立てというものがなければ、社会人になってから急に他人から「本を読め」と言われても読むわけがないのだ。
事実、私が最初はそうだった。
ただ、それだけではなくて、もうひとつ社会人に関しては「本を読まない」大きな理由があると私は考える。
それが「自分の成長は自分の責任」と考えているかどうかだ。
どうも社会人にもなって会社が教育や研修をしてくれると勘違いしている人が多いように思う。
会社は研修といった費用対効果の悪いことをするぐらいなら、もっと優秀な人材を採用したほうがいいと考えている。
なぜなら自分で勉強もしないような人は育たないし、育てても高が知れているからだ。
だけど、自分の成長を自分でさせようとしない人は、会社が悪いと他責に考えてしまう。会社からは研修の機会も与えられないし(与えられても大抵が役に立たない)、自分自身で勉強をしようともしない。
自責で考えていない。
成長しようとしていない。
本から学べるものがあることを知らない。
自分が知らないことがたくさんあることも知らない。
つまりはそういうことなのだ。