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献立の全てを理解できるか? #美食学のすゝめ

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料理をより美味しく食べるためには何が必要だろうか?

 

ミシュランの星付きレストランや高級店、名店で食事をする時、何をどう楽しめばいいのかわからない人もいるはず。

実は私がその1人だった。

食べればとりあえず「美味い」のだが、それ以上を味わうことができない。

それは味を表現する言葉を持ち合わせていないから。

言葉の数は世界をより細かく分解して見るためのツールなので、人は言葉を知らなければ世界を粗く見てしまう。

一流料理人の料理をより美味しく食べるのも同じだ。

その料理をより深く味わうための言葉が無ければいけない。

同じ料理を食べていても、言葉が乏しい人よりも言葉が豊富な人の方がより料理を美味しく楽しく味わえているのだ。

それに、せっかく高いお金を払って食べるのだから、どうせならより満足度を高くしたいものだ。

 

私自身、まだまだ料理の楽しみ方を勉強中ではあるのだが、幸運なことに何人かの一流料理人を(勝手に)美食学の先生にさせて頂いているので、そこで学んだ知識を書き連ねていこうと思う。

 

前置きが長くなった。

 

で、1番初めは献立について書く。

料理人にとって1番難しいとされるのが、この献立を決めること。

献立に全てが詰まっている。

その料理人の力量以上の献立は立てれない。

そんな献立を立てても、その料理は作れないから当然だ。

自分の力量で作れる料理で献立を立てなければいけない。

 

初めて来るお客様にも常連のお客様にも楽しんでもらえる献立を作るわけだが、これがまた難しい。

季節の食材を使えば他所のお店と似通った料理になってしまう。

だからといって独自性を出そうとして奇をてらいすぎてもいけない。

日本料理なら日本料理の、フランス料理ならフランス料理の枠があってルールがある。

その枠やルールを大きくはみ出してしまえば一流料理人とは呼べない。

ルールや枠の中でいかに幅を持たせた料理が作れるかが、腕の見せ所なのだから。

 

なので、料理人は必ず自分自身が狙った味を表現している。

料理の順番にも意味がある。

使う食材にも意味がある。

温度や香りにも意味がある。

盛り付ける器にも意味がある。

献立について、すべて説明出来るのが一流料理人の仕事なのだ。

 

そんな一流料理人の料理を食べる側の人間は、その献立のすべてを理解できるのが一流の食べ手・美食家というものだろう。

私はそう思う。

 

当たり前だけど、

食を楽しむ。

料理人にも、サービスマンにも、同席している他のゲストにも敬意を払う。

食材に感謝する。

生産者に感謝する。

食器を丁寧に扱う。

そういったマナーは当然に守るのが大前提。

 

その上で、献立の全てを理解するのが美食家に必要なスキルなのだ。

例え相手がミシュラン3つ星シェフであったとしても、シェフが立てた献立や作る料理の狙い、美味しさをすべて理解して受け止めなければ一流の美食家とは呼べない。

 

そのためには多くの言葉を知らなければいけないだろう。

私の美食学のすゝめはそんなところから始まる。